更年期におこなうホルモン療法
2009 年 04 月 16 日
今日は仕事の後に「一般内科医が実践するホルモン補充療法」という勉強会に参加する。 ホルモン補充療法とは、女性の更年期におこなうホルモン療法のことである。 婦人科領域だから関係ない、と考えるドクターも多いかもしれないが、そうではないと思っている。 実際、うちのクリニックでも更年期障害の患者さんは多い。 ほてりや動悸といった自律神経異常があれば更年期と気づきやすいが、症状が胃もたれ、高血圧、高コレステロール血症だったりするので、内科を受診するのだ。 実際、今日の講師の先生はリウマチの専門医だが、更年期障害に伴う関節痛をリウマチと誤診した経験から更年期の治療に入るようになったらしい。 もらった学会誌には「整形外科(せいけいげか)は閉経外科(へいけいげか)」と書いているドクターもいたが、この分野は小児科以外のすべてのドクターが精通していなければならないことに思う。 しかし、日本ではまだ認識が足りないらしい。 ちなみにオーストラリアでは対象の6割以上がホルモン療法をおこなっているが日本では1%くらいとのこと。 この治療の問題点は、静脈血栓症の増加と乳がん、子宮体がんの発生があげらるが、最近できたパッチ療法では血栓増加率はわずかであり、がんの新生はないらしい(もともと乳がん、子宮体がんがあれば悪化するが)ので、今後は普及していくのではないだろうか。 今回の話を聴いて、さらに知識を深め、婦人科の専門医との連携をとって診療にあたる必要性を痛感した。
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