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今回の写真集も三村淳さんに構成をお願いした。 三村さんは高名な方で、星野道夫さんの作品集のほとんどや岩合光昭さんの代表作『おきて』、『セレンゲティ』も手掛けておられる。 前作のラブレターの構成も三村さんだったが、これはPHPの編集者が決めたのだった。 当時は駆け出しの写真家だったので、大御所の三村さんにはあまり意見は言えなかったのは事実である。 先に三村さんが選んだ写真構成に後から自分が文章をつける形で、話し合いの機会もそれほど持てなかった。
今回は、出版が決まる前から何度かお会いして自分の伝えたいことを話し合う機会を持ってきた。 そのせいで、「井上さんの伝えたい内容を尊重する」、「喧嘩するくらい意見をぶつけ合って創っていこう」とおっしゃってくれているのはありがたいことだ。 最初の3冊の写真集はアートディレクションをしてくださる方と1~2度の話し合い(0回ということもあった)ですべてが決まってしまい、「こんなものなのか」「誰の写真集なのだろう」と違和感を持っていた。 最初の写真集が決まった時に大御所の写真家から「自分の意見はまったく通らないと思っていたほうがよい」と言われ、遠慮していたせいもあるが、今思えば自分の想い・情熱も足りなかったのだろう。 今回はあきらかに違う。 「井上さんの代表作にする」「今回は燃えている」という三村さんの言葉。 私同様に三村さんも手ごたえを感じておられるようだ。 |
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